バイクのバッテリーは、エンジンの起動や電気系統の稼働に欠かせない重要なパーツ。
従来の鉛バッテリーから、新しい技術であるリチウムイオンバッテリーへの交換は、バイクの性能を大幅に向上させることができます。
でも、そのメリットやデメリットを理解した上でリチウムイオンバッテリーを使わないと、せっかく買ったバッテリーを壊してしまうことに?!
軽くて性能が高いと言われているリチウムイオンバッテリー。
今回は、リチウムイオンバッテリーを買ってみたので、メリット・デメリットや適切な取り扱い方法について解説します。
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リチウムイオンバッテリーとは
リチウムイオンバッテリーは、従来の鉛蓄電池に比べて軽量・小型・高性能であることが特徴。
鉛蓄電池と比較すると、約1/3程度の重量で同等の容量を持つことができます。
リチウムイオンバッテリーは、放電特性が安定しており、電圧変化が少ないため、バイクの安定した電源供給が可能です。
また、高いエネルギー密度を持っているため、小型のバッテリーでも高い出力を発揮することができます。
リチウムイオンバッテリーの正式名称は「リン酸鉄リチウムイオン電池」。
バイク用は、1パック電圧3.2Vの4つのセルを組み合わせ構成されています。
鉛バッテリーに比べると、瞬発の力が強いバッテリー。
セルが元気に回るようになります。
リチウムイオンバッテリーのメリット
バイク乗りに嬉しい圧倒的な軽さ
画像は「SYORAI製 LFX14L2-BS12」(Beta X-Trainerで使用中)
リチウムイオンバッテリーは鉛バッテリーよりも軽量であるため、バイクを軽量化することができます。
例えば、一般的なバイク用の鉛バッテリーは、12V/10Ahで約3kg程度ありますが、同じ容量のリチウムイオンバッテリーであれば、約1kg程度になることがあります。
ここで紹介しているのは「SYORAI製 LFX14L2-BS12」。
重さは約690g。1kgを余裕で切る重さです。
大人気なセロー250で比較しみよう
オフロードバイクで人気、誰もが知っているセロー250で比較してみましょう。
- リチウムイオンバッテリー SYORAI 575g
- 鉛バッテリー GSユアサ 2,100g
なんと、約1/4の軽さ。
最大のメリットはただ軽くなるだけじゃない
バイクに搭載するバッテリーは、バイクの重心位置にも影響を与えます。
バイクのバッテリーは、シート下に配置されてることが多いです。この重い塊があるせいで、バイクの重心が高くなってしまいます。
しかし、リチウムイオンバッテリーは軽量であるため、重心が下がり、よりバイクの取り回しが良くなり、ライディングの向上につながります。
特にオフロードバイクでは体感できるレベルで乗り味が変わります。
リチウムイオンバッテリーは長寿命
リチウムイオンバッテリーは長寿命であるというメリットがあります。
これは、リチウムイオンバッテリーは充電・放電を繰り返しても、従来の鉛バッテリーよりも劣化が少ないためです。
また、リチウムイオンバッテリーにはメモリ効果がないため、バッテリー容量が徐々に減っていくこともありません。
バッテリのメモリ効果とは、バッテリーが何度も充電・放電を繰り返していると、バッテリーの中に記憶ができてしまう現象です。
例えば、バッテリーを半分程度しか使わない状態が続くと、バッテリーはその状態を覚えてしまって、本来持つはずの最大充電容量が減ってしまいます。
リチウムイオンバッテリーにはメモリ効果が少ないため、充電容量が長持ちし、長寿命になります。
リチウムイオンバッテリーで有名な「SYORAI製 LFX バッテリー」はメーカー保証が3年ついてきます。
電流をいっきに送れる
リチウムイオンバッテリーは短時間で大量の電力を放出することができます。
これは、リチウムイオンバッテリー短時間に大量の電気を出せる性能を持っているからです。
バイクのようにセルモータを回すのに瞬間的に大量の電気を使う用途にぴったりのバッテリーです。
特にセルの大きな大型バイクのエンジン始動にはかなりオススメ。
始動性のは、鉛バッテリーの約1.5倍もあります。
リチウムイオンバッテリーは充電効率が高い
どのくらい充電効率が高いか試すために、フル充電の状態のリチウムイオンバッテリー搭載のバイクで、1日林道を駆け巡ってみました。
かなり険しいルートを通たため、エンストからのセルのリスターをかなり多用した一日でした。
家に帰ってきて、専用充電器(SHORAI製)で充電してみると、1分しないうちにフル充電完了の合図。
すぐにメンテナンスモードに切り替わりました。
リチウムイオンバッテリーは液漏れの心配がない
リチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーとは異なり、内部に液体が含まれておらず、液漏れの心配がありません。
鉛バッテリーには、硫酸などの腐食性の高い液体が入っているため、万が一バッテリーが破裂した場合には、液体が漏れ出すことがあります。
一方、リチウムイオンバッテリーは、液体が含まれていないため、破裂しても液漏れの心配がありません。
リチウムイオンバッテリーは自己放電が少ない
リチウムイオンバッテリーは、過放電に強いとされています。
これは、リチウムイオンバッテリーには過放電に対する保護機能が備わっているためです。
過放電とは、バッテリーから電気を取りすぎることで、バッテリーの寿命を縮めたり、バッテリー自体を破損させる可能性があります。
リチウムイオンバッテリーには、過放電を防ぐ保護回路が組み込まれており、過放電によるダメージを軽減することができます。
チウムイオンバッテリーには、BMSと呼ばれるバッテリー管理システムが搭載されています。
BMSは、バッテリーを適切に充電したり放電したりするための制御を行います。
BMSには、複数のセンサーが組み込まれており、バッテリーの電圧や温度、充電量などを計測しています。BMSは、バッテリーの性能を最大限に引き出すために非常に重要な役割を果たしているため、正確な測定や正確な制御ができるように開発されています。
BMSは、バッテリーの性能を最大限に引き出すために非常に重要な役割を果たしているため、正確な測定や正確な制御ができるように開発されています。
鉛バッテリーに比べ自己放電が少ないため、重電の頻度などがかなり少なくなります。
オートバイを使用しない期間があると、鉛バッテリーでは小まめな充電が必要でしたが、車両から外しておくだけで長期間の保管が可能。
冬場に載らないライダーには特におすすめです。
リチウムイオンバッテリーのデメリット
バッテリー自体の値段が高い
リチウムイオンバッテリーのデメリットの1つは、価格の高さです。従来の鉛蓄電池よりも高価であるため、初期投資が大きくなります。
鉛バッテリーと比較してみましょう。
バッテリー種類 | モデル | 利点 | 欠点 | 価格 |
---|---|---|---|---|
リチウムイオンバッテリー | SYORAI LFX09L2-BS12 | 軽量、高い電圧と容量、長寿命、メンテナンスが少ない | 価格が高い | 約13,000円 |
鉛バッテリー | GSユアサ YTZ7S | 比較的安価、信頼性が高い、広く使用されている | 軽量ではない、充電時間が長い、定期的なメンテナンスが必要 | 約10,000円 |
鉛バッテリー互換品 | 台湾ユアサ YTZ7S互換 | 安価、性能は純正品と同じ | 品質や信頼性が異なる可能性がある | 約6,500円 |
しかし、リチウムイオンバッテリーは、長寿命であり、コストパフォーマンスが高いことがメリットです。
長期的に見ると、リチウムイオンバッテリーの方が経済的。
長期的に見ると、リチウムイオンバッテリーの方が経済的であると言えます。
リチウムイオンバッテリーは、初期投資は高くなりますが、長期的にはコストパフォーマンスが高く、車両の性能向上につながるメリットがあります。
過充電、過放電に敏感
リチウムイオンバッテリーにおいて、過充電や過放電を防ぐことが重要です。
過充電は、バッテリーに蓄えられた電気エネルギーが限界を超えて蓄積されることで発生し、バッテリーにダメージを与える原因になります。
また、過放電は、バッテリーが使用されすぎて電気エネルギーが底をつくことで発生し、バッテリーの寿命を縮める原因になります。
過放電・過充電を防止する方法
対応方法としては、リチウムイオンバッテリーの専用充電器を使用すること。
リチウムイオンバッテリーには専用のバッテリー管理システム(BMS)が搭載されており、このBMSがバッテリーの状態を監視し、過充電や過放電を防止することができます。
特にSYORAI製のリチウムイオンバッテリーは、専用の充電器「SHORAI LFX バッテリーチャージャー」を使用しましょう。
これ以外の充電器を使用した結果、破損させたことがあります。
適切に管理されたリチウムイオンバッテリーは、長寿命かつ高性能なバッテリーですが、過充電や過放電など、正しく取り扱わないと故障の原因になります。
大型バイクなどで、バッテリーから直接給電するイモビライザー等が付いているバイクについては、知らず知らずのうちに電気を消費しているため、過放電には十分注意しましょう。
ガレージなどでコンセント設備がある場合は、メンテンナンスモードにしておきましょう。
リチウムイオンバッテリーで注意すること
専用充電器が必要
リチウムイオンバッテリーは専用の充電器が必要。
鉛バッテリーと違い、電圧の管理がシビアなため、充電器を使用する時はリチウムイオン対応の充電器を使用しましょう。
SYORAIからは専用の充電器が販売されており、充電コネクターがついている為、プラスマイナスなど気にせず簡単に充電できます。
エンジン始動の際は焦らずゆっくりと
リチウムイオンバッテリーは、気温が低いと性能が低下することがあります。そのため、冬場にバイクを使用する場合は、バッテリーの性能低下に注意する必要があります。
①キーをオンにして30秒放置
②セルを回す際には短く、数回に分けて行う
この二つを守れば、バッテリーに過度の負荷をかけずにエンジンを始動させることができます。
一度、電気が流れるとバッテリーが活性化し、元の性能に戻っていきます。
リチウムイオンバッテリーのまとめ【バイクにおいて軽さは正義!】
リチウムイオンバッテリーは、バイクの性能を簡単に向上させるカスタムとも言えます。従来の鉛バッテリーに比べて、軽量で、高性能で、長寿命で、液漏れの心配がないというメリットがあります。
ただし、適切な取り扱いが必要で、過充電や過放電を防ぐためには専用充電器での充電が必要です。また、価格が高いというデメリットもありますが、長期的な観点からみると、コストパフォーマンスが高いといえます。
リチウムイオンバッテリーの導入により、バイクの重量を軽くすることができ、エンジンの性能を引き出すことができます。
さらに、長寿命でメンテナンスの手間も軽減できるため、バイク愛好家にとって魅力的な選択肢といえます。
ぜひ、試してみてください。